眼科の人です
はじめまして、「眼科の人」です。
某眼科クリニックで、先生の横に立ち「診察助手」をしています。
私は医師ではありませんので、診断をすることや特別な医療行為は何もしておりません。
主な仕事としては、患者さんの呼び出しと誘導・写真撮影や器具出しの補助・処方する目薬の説明・疾患の説明などをしています。
内科クリニックだと看護師さんが横に立っていたり、大きい病院だとシュライバーと呼ばれるカルテ入力を専門にする人がいたりしますが、眼科クリニックでこのスタイルは珍しいかと思います。
日々の自分の業務を通して、より広くいろんな方に眼科について知ってほしいと思い、ブログを立ち上げました。
ワタシって何の病気だったの??
これまで「眼科の人」をやってきて最も意義があると感じていることが「患者さんに、ご自分がどのような病気なのか、その病気とはどういうものなのか?病気への理解(病識)をしっかり持ってもらうこと」だと思っています。
「前の眼科では特に何とは言われず薬だけ出された」
「同じ検査は前からやっていたが、この病気だとは聞いてなかった」
「同じような症状はよく出るけど、何が原因かは知らなかった」
このようにお話ししている患者さんがとても多いことに驚きました。
せっかく病院へ行ったのに、自分が何の病気なのかもよくわからず終わっているかたがとても多いのです!
特に、長年ずっと通院していたのにはっきりと何の病気か聞かされておらず、言われるがまま通院し、検査し、薬を使っていた患者さん(特に高齢の方が多いです)が、私の勤務先クリニックへ来て診断を聞き
「えっ!私って〇〇なんですか?!」
とショックを受けるパターンもよくあります。
「大事なことなので2度言います」の効果
眼科では、まず検査→先生が直接診察(眼科では必ず視力検査・眼圧検査をはじめにやります)という流れです。先生が診察や検査の結果を患者さんへお話しし、お薬などを決め、今後の治療方針を伝えます。
先生はいろんなデータをふまえ、考察しながらお話ししていくので、なかなかじっくりと丁寧なお話しをすることは難しいと思います。ましてや、カルテの作成もしゃべりながらしなくてはならないので、どうしてもさささ~っとしたものになってしまいます。
(丁寧なお話しをしてくれるクリニックは、時間がかかるので激混みですよね…)
先生がひととおりの診断をし、カルテを作成している間に私が
「そもそも〇〇というのはこういう病気ですよ」とか、検査データや患者さんご自身の写真を改めて見せながら「ここがこうなっています」「この検査結果からこのようなことがわかります」などと補足説明をしています。
要は先生がさささ~っと話した内容を、できるだけ噛み砕いてわかりやすくもう一度言っているだけです。
ただ、この2度目の説明がより患者さんの「病識」を深めることに確実につながっていると実感しています。
患者さんと病院双方の利益になる
もともと、診察助手というポジションの目的は
「円滑な患者さんの誘導&先生がスムーズに診察する手助け=診察時間の短縮」
でしたが、新規開院のクリニックだったため最初は思うように患者さんの数が伸びず、リピーターを増やすための工夫として私が独自に補足説明や解説をし始めました。
効果として、患者さんには「わかりやすい」「今までよくわからずに他の眼科に通院してたけど、初めて自分の病気が何なのか知った」という声をいただけるのはもちろんですが
一回きりの受診で終わらない
自己判断で治療を中断しない
しっかり治療や進行予防の意識を持って薬を使う
という患者さんが増えてくれることにより、クリニックにとってはリピーターの獲得にもつながり、良い循環が生まれました。
もっと広く、いろんな人に病識をもって欲しい
「病院で〇〇って言われたけど、よくわかんない」
「眼科でこんな検査やったけど、どういう意味だったの?」
このような患者さん、実はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
特に眼科の病名は一般的になじみのないものが多いと思います。
そんな方々に少しでもお役に立てればと思います。